突然税務署の方が来られる場合があります。その時の対応と注意事項について、相談事例を交えてお伝えいたします。

 

  • お客様業種:飲食店
  • 対応業務:法人支援サービス

 

 

お客様のご状況

突然やってきた税務調査!

朝九時過ぎに、「今、家の玄関に税務署の人が来ているけど、どうすればいいでしょうか?」と飲食店を経営している社長様からお電話がありました。社長はその時ゴルフ場で、ゴルフをスタートしたばかりで、家には奥さんしかおらず、対応は奥さんが出たらしいです。

 

税務署の調査といっても、あくまで任意の調査です。社長様が「いい」と言わない限り税務署も部屋に入ることすらできません。そのため、外で待っているとのこと。税務署も準備してきているので、おいそれとは帰れません。また、どうもお店の方にも数名行っているようでした。

 

 

当事務所の対応と税務調査

お客様にかわって税務署と交渉

税理士は、お客様から「代理権」を頂いています。それは対税務署との交渉権になりますので、お客様にかわって税務署と交渉することができます。そのためご自宅に電話をして、お客様のかわりに税務署の人と交渉しました。対応していた奥さんも安心したようでした。

 

当然ですが、会社として税務調査の受任義務(*)があることは知っているが、今は社長は不在で調査の対応ができないことを、柔らかい口調で交渉しました。

納税者は納税の義務と同時に「税務調査に応じなければならない」という義務のこと。

 

税務調査は受けなければいけないことですが、どんなときでも受けなければいけない理由はありません。重要な予定があるときや、体調が悪いときには受けなくてもいいのです。ましてや今回はゴルフ場にいますので、物理的に無理です。お願いして帰って頂くことになりました。

 

ただ今回は、その後社長様から「気になってゴルフができないので税務調査を受けたい」と連絡があったため、急遽午後から税務調査を受けることになりました。当事務所の担当も、他の予定をキャンセルして、午後会社の事務所へ向かいました。

 

税務調査の内容は?

今回の調査で来られた税務署の人数は3名。 飲食店の場合、以下の内容を確認していきました。

 

  • 前日の売上現金の実際の残高と伝票類の確認
  • 最近の売上伝票などの日報

 

特に社長のパソコンのデータは気になるようです。

 

こちらのケースでは現金の残高と伝票が一致していましたので、問題なしです。 日頃から現金の有り高と帳簿の一致はお願いしていました。 社長様の方もきっちり実行して頂いていたようです。

 

 

税務調査の注意点

飲食店の場合は前日の覆面調査も!

基本的に急に来るケースは現金商売をされていて、また、相手が不特定多数の場合になります。具体的には居酒屋などの飲食業が多いようです。製造業や卸売業のように相手が特定できる場合は、突然税務著が来ることは、ほぼありません。

 

また飲食店の場合、前日に税務署の調査官が食べに来ているケースが多いようです。その自分の食べたものが伝票にあるかも確認していたようでした。

 

きちんと処理をしておけば大丈夫!

このように現金商売の場合は帳簿の現金残高と実際の残高の確認がポイントで、ここがあっていれば概ね問題なしです。ただ、この後別の日時に他の費用などの中身の確認があります。

 

税務調査というとよく「お土産」という方がいます。つまり、税務調査で税金を持って行かれる分を予定しておくというものです。ただ、そんなものは必要ありません。きちんと処理しておけばいいのです。

 

 

お客様が使っていたサービスはこちら

 

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当事務所の税務調査の状況

当事務所での平成30年1月~12月までの税務調査の状態は以下のとおりです。

 

《税務調査の件数》

  • 合計:14件

 

《税務調査の結果》

  • 是認6件:是認というのは修正がないということです
  • 若干の修正4件:印紙の貼付もれなど、修正はあったものの納税額が僅少な場合
  • 期ずれ2件:在庫の計上もれですが、翌期は経費になります。
  • 売上のもれ2件

 

上記のように税務調査でも全く納税がないケースが全体の約43%、また若干の修正で済んだケースも含めると約70%となります。 税務調査は基本的に所長である村越が対応しています。顧問先様の件数が少ない会計事務所ですと、そこの税理士はどうしても経験不足で税務署との交渉が慣れていないことがあります。